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教員インタビュー

このページでは1ヶ月に1回、当センターの教員へのインタビューや、センターが研究・開発中のプロジェクトに関する情報提供を通じて、国内最大の留学生教育機関であるJLCTUFSの「いま」を伝えていきます。
第5回は6カ月コースご担当の鈴木智美先生へのインタビューです。

第5回 鈴木 智美 准教授

できるだけ勉強して基礎を固めておこう!

インタビュアー(=Q):今日はお忙しいところ、ありがとうございます。初めにお生まれと、子ども時代のご自身、それから愛読書についてお話していただけますか。
鈴木智美准教授(=A):はい、生まれは静岡なんですが、金沢、福岡に住みました。愛着があるのは中学、高校時代を過ごした福岡です。子ども時代は…そうですね、けっこう集中力のある子だったと思います。中・高では、古文の文法分析なんかが好きでした。愛読書は、サリンジャーの「Nine Stories」でした。

Q:文法の分析がお好きだったなんて、今のお仕事と関係しているようですね。
A:そうですね。そういえば中1のとき、国語の時間に、「AというB」のような表現の「~という」は動詞の「言う」と同じですか、という質問をして、先生がびっくりして、同時に褒めてくれたことを覚えています(笑)。

Q:大学進学後はどうなさったのですか。
A:大学は慶應の国文科です。卒業後、企業に勤めましたが、ずっとことばに関わる仕事をしたいと思っていて、大阪YWCAの日本語教師養成講座に通ったのが、日本語教育のスタートです。終了後、北千里の日本語学校で教えたのが、授業のデビューということになりますね。

Q:では、院進学の前に教育経験がおありなのですね。
A:そうです。その後、国際交流基金の派遣でオーストラリアのタスマニア州にあるエリザベス・カレッジという学校で2年間教え、帰国後に研究生を経て名古屋大学の大学院で5年間、みっちりと勉強しました。それからこの大学に来て、1年コース、日研生をそれぞれ3,4年ずつ担当して、今は6か月コースを担当しています。

Q:現在、関心をお持ちの研究分野はどんなことですか。
A:私はこの仕事を志したときから一貫して、ことばの意味に興味があります。語彙であれ、文法項目であれ、言語表現の意味ですね。ずっと関心を持って研究しています。それから数年前、コロケーションの辞書を執筆したこともあって、辞書にも興味を持っています。今年の4月から、科研費(萌芽研究)を取って、留学生が実際にどのように辞書を使うのかを研究しています。

Q:そうですか。あと、鈴木先生が関心を持ってみていらっしゃる同時代の研究者はどなたか、いらっしゃいますか。
A:そうですね、東大留学生センターの菊地康人先生は、現場に立ちながら論文・著書を発表していらっしゃいますが、研究の着眼点とか、説得力のある記述の仕方など、とても勉強になります。自分の目指す方向に近い、という感じです。

Q:ありがとうございました。最後に、これから日本語教師を志す人に対して、何かアドバイスがありましたら、お願いします。
A:そうですね。やはり、出来るだけたくさん勉強をして、基礎固めをしておくことだと思います。

インタビューを終えて─

中1のときに学校で先生にした質問のエピソードには驚かされた。また、子どもの時分のご自身を語るときに「集中力」を挙げていらしたが、一貫して意味研究を追究なさってきた先生らしいお話だった。たくさん勉強すること、というのは当然のアドバイスだが、教育実践と深い研究、どちらもおろそかにせずに実行なさってきた先生らしい、重みのあるひとことだったと思う。

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